学校の黒板はなぜ西側が多い?

建物を計画するとき窓の位置の方位を気にする方は多いですよね。
(もちろん建物の用途にもよりますし、美術館のような自然光を取り入れてはいけない場合は勝手が異なりますが。)

もちろんより多くの日光を取り入れたければ南側に大きな開口をとることは大事です。
住宅を例にとってみます。

居間や食事室の空間は一番条件をよくする場合が多く南側に窓をもってくる場合が多いですよね?
ではテレビの位置はどうやって決めていますか?東?西?
この場合食事室のテーブルを置く想定で考えると悩まずに済みます。

窓を南側に配置する

食事室のテーブルで作業する

利き手がどちらかを考えて影にならない方向を考える
例えば右利きの場合は西を向いて作業しないと手暗がりになる

ん?

テレビ置く方位西に決まりませんか?

市街地の場合は南側の環境が悪い場合も多いので、もちろん間取りによりますから私はあえて南側をあえて閉ざす設計をすることもあります。
ただ上記のフローチャートは応用がきくので悩んだときに項目を置き換えて試してみると面白いですよ。

もう一つ例を挙げると、日本の学校のほとんどは西側に黒板があるそうです。
その理由は

南側に窓を配置する

生徒の多数が右利き(左利きの人ごめんなさい)

西を向いて黒板をみながらノートをとると手暗がりにならない

黒板は西側

おお!なるほどっ!
今通っている学校の黒板の向き、昔通っていた学校の黒板の位置そうではありませんか?

建築において「何か」の位置を決定するには必ず理由があるのです。
窓の位置もそう、階段の位置もそう、階段の回る方向もそう、エアコンの設置向きもそうetc。。。

意外とねキチンと考えてるでしょ?ワレワレ(笑

真北と磁北

真北(しんぽく)と磁北(じほく)。

北には大きく2種類がありますよね?この違いってなんだろう?って思ったことありませんか?

 

コンパスが指し示す北は磁北といいます。

その名の通り磁石が指し示す北で、磁北の極点はカナダの北のあたりにあるそうです。地球自体が磁場を持っていることは周知の事実ですが、磁北はその地球のおへそってことね。お友達との会話はここまで知っていればダイジョウブ。

 

でも建築となるともう一歩必要。

建築で使う北は真北。これは正真正銘の北、北極星の真下を指し示す方角です。昔の船乗りの方は北極星を目印に航海していたとどらえもんの「ドラビアンナイト」で言ってました。(またマンガからか。。。)

 

つまり「真北」と「磁北」は、ずれているのです。東京であれば方位磁針が指し示す北よりも約7度西にずれた位置が真北になります。

 

ハイキングに出掛けてうっかり道に迷ってしまい、方位磁針と地図しかない状況になってしまったら(そんな状況今時ありませんが(汗)

地図に方位磁石を合わせて進んでいくと、、、1km歩いた時点で100mズレてますよ!お気をつけて!

 

大黒柱と大黒様

現場でクライアントにリクエストされたので今日は大黒柱のお話をします~!
(みなさんどんどんリクエストしてくださいね)

大黒柱は家の中心にあって家の重量を支える柱のことで、別名「大極柱」。
この一番太い柱に全部の梁をかけて屋根を支えるようにしたのです。
この中心的な柱に面して台所が作られ、そこには台所の神様、かまどの神様である大黒天がまつられていましたので「大黒柱」と呼ばれるようになったのです。
つまり大黒柱はキッチンのすぐ脇にあります。

大黒柱から見て、土間を挟んで向かい側に位置しているひと廻り小さい太柱を「小黒柱」と呼びますが、それらがちょうど一対になる事から、同じ七福神の中で一組として信仰される事の多い「恵比寿様」にちなんで、「恵比寿柱」の別称もあります。
家庭内での比喩だと、大黒柱とは家族を支えて中心となる父親のこと、「小黒柱」「恵比寿柱」はお母さんのこと。今この表現をすると問題になりそうですから一応付け加えておきます「昔はそういわれていました!」と。
「おとーさん!!!アナタは一家の大黒柱なんだからもっとしっかりしてくれなくちゃ困るのよ!!」
というお母さんやおばあちゃんの言葉聞いた事ありませんか??
最近「大黒柱」のある家屋、建築方法はあまり見かけなくなりましたね。
しかも最近は全て集成柱で均等に力を受けちゃってるので「一家はみんなで支えています」
という風潮が強くなり、更におとーさんよりおかーさんの方が怖いと言う統計もあり大黒柱の存在は薄れるばかりww
家に大黒柱がなくなったからって一家の家長たるもの、もうちょっと強くあってほしいですね。
頑張れお父さん!!

コンセントに向きがある? 

「コンセント」とは、電気器具のプラグを接続する差し込み口のことです!
全員御存知ですねwすいません。

「コンセント」は「concentric plug」を略した和製英語、つまり造語です。

英語の名称では、エレクトリカル・アウトレット (electrical outlet)といい、
単にアウトレットと言うこともあります。

実は、「コンセント」には、「正しい方向」があるんです。つまり二本の棒みたいな差込口は左右対称では無いのです!

壁に埋め込まれたコンセントをよーく見て下さい。
穴の長さを比べると、一方が長くなっていて、短いほうの長さは7ミリ、長いほうは9ミリと決まっていて通常は左側が長いのです。
気付いた事ありますか????ぼくも数年前、師匠に言われるまで知りませんでした。

そして全てのコンセントにはアースが付いていて、アースの種類は実は2種類あるのです。
1 万が一、電線から家庭内に高圧電圧が進入しようときに防御するアース
2 漏電による感電を防ぐアース

通常アース付コンセントというと「2」を指しますが、「1」のアースは標準装備です。
ここでちょっと話を戻しますね。
前述のようにコンセントの口の左側は9mm,右側は7mmですが、長いほうが「1に該当するアース」につながっています。

現在は差し込む向きなど全く考えずにコンセントに差し込みますが、「1」のアースを考慮してあるコードは実在しています。

コードに白い線がかいてあれば、それは「白い方を長い方にさしてね!」マークなんです。つまり白い線が書いてある方を長い方、つまり左側に挿せば良いという事。
ちなみにあくまで「より望ましい」程度の事です、とメーカー談。
知らなかったわ!大変!家中のコンセントチェックしなきゃ!
とそこまで気にするレベルでは無いのでご安心を。

取り扱い説明書なんて
読まなくても分かるから、保証書と一緒にお蔵入り。
ちゃんと読むと以外と面白い事が書いてあるかも~♪

LED一体型照明器具ってなんだ!!??

すっかり主流となっているLED照明。
新築を今計画されている方であれば必ず目にする「照明器具リスト」
これを見ていて「むむむむ!!!」と思われた方いらっしゃるのでは??
きっとその原因はこれ「ダウンライト器具一体型照明」

なんだ?ダウンライト一体型照明って?
もし球切れちゃったら球交換出来ないのです。
じゃあその場合は照明器具ごと交換になるの?
「はい、そうです」
えええ!!!!!
これは照明器具メーカーの暴挙だ!いちいち器具ごと交換なんてしてられるか!
となりそうですが、まあまあ・・・・
ポイントはこの「球切れ」です。
これが実に上手い仕組みになっています。
LED照明の寿命は40000時間と言われており1日10時間の点灯で約11年使える計算になります。そして照明器具本体の寿命は約10年。
ん・・・・・ということは?
そう、つまり「一体型照明器具」は照明器具の寿命=LED電球の寿命という実に理にかなったものなのです。
10年以上経過した照明器具の劣化が原因でショートしたり焦げたりということもあり得ない訳ではありません。
劣化が原因の事故でもメーカー責任が追及される昨今、「使えるから~」といって20年も愛用し続ける人はメーカーにとって実は非常にリスキーなお客様なんですよ~。
更に言うならば 光源の交換を考えなくて良ければ、それだけ自由に製品の設計や開発も出来ますから、メーカーに取っては一石三鳥なのかもしれませんネ。
今後一気に革新的な照明器具が生まれていくことと思います、楽しみですネ。

床の間の掟?

「床の間」
詳しくは知らないけど何となく神聖な場所。
そんな認識の方がほとんどかと思います。
本来の床の間は、16世紀頃に登場した書院造りに取り入れられた「主君の座」でした。
そもそも、トコという日本語は、頑丈でビクともしない、絶対に変わらないもののこと。
「とこしえ(永久)」
「とこよ(常世)」
などと使われるように、「永遠」という意味を持つ言葉です。
それだけ神聖な床の間であるだけに無礼は許されぬ事なのです。
「床挿し」といって天井の竿が床の間に向けられ、あたかも床の間を串刺しにしているかのような状態の天井の造られかたを指します。武士の切腹に当たるとも言われています。

タタミの敷き方にも「床挿し」は存在しており、床の間の途中にタタミの切れ目がくる事を言いますがこれもダメ!

ただ、最近では、竿縁天井はあまり見られず、敷目板張りや化粧クロス貼りがごく一般的な天井の造られかたになっていますが、それでも敷目方向が床の間と直角にならないよう注意が必要です。
ちなみに
床の間のある部屋は主室、となりの部屋は次の間といい、天井の竿縁の向きや敷き目板の向きは主室とは90度変えることが一般的天井の造られ方なのです。
高級旅館には必ずと言ってよいほど「主室」と「次の間」がありますが慣わしに従っている「次の間」にはあまりお目にかかれないのはホント残念な事です。
日本人が日本を、和室を知らないなんて・・・・。
サザエさん家見て下さいヨ!タタミの敷き方、床の間の配置、床挿しではない天井敷き目方向、主室と次の間の天井敷き目方向、全て網羅されいるんです。スゲー。
そんなとこ見てサザエさん見てるの私・・・ホントヤバいです。。。

ホルムアルデヒド???

ホルムアルデヒド!!
シックハウス症候群の親玉みたいで極悪なイメージがついていますよね、御存知の方も多いと思います。

雑誌などでも
「その住宅会社は大丈夫ですか???!!!ホルムアルデヒドの対策をしている建築会社かしっかり調べましょう!」
なーんて雑誌に書かれている事も多く神経質なクライアントも少なくありません。

しかーし!
今の建築業界は黙っていてもF☆☆☆☆(フォースター)を使用していますし、接着剤や糊もノンホルムアルデヒドタイプです。(一部の極悪建築会社を除く)
F☆☆☆☆はホルムアルデヒドの拡散等級を示すもので、☆が4つが最高ランク通称「フォースター」☆一つが最低ランク「ワンスター」です。
ま、うちは「ワンスターですから安心ですよ、奥さん!!」と自信満々に言う企業さんいないと思うからネーミング自体要らないですよね!!

でもネ。。。。
実際にホルムアルデヒドを放出量が多いのは
「家具」
「カーテン」
「衣類」
なんですよ!

特にネットで販売されている「激安」と言われているもののほとんどはホルムアルデヒドの放出量が高いものがほとんどだと思います。
記載が無いのならば業者さんに「F☆☆☆☆ですか?」と聞いてみて下さい、きっと「いやウチは低ホルムアルデヒドタイプでして、Fいくつかまでは分かりかねますが、∀£※§±∥・・・・(汗)」
という答えが返ってきますよ。

ちらほらホルムアルデヒドの拡散等級の記載をしている高級家具をみかけますが、まだまだ主流ではないのが現状です、記載義務も無いですしネ。
この前某ホームセンターで「赤ちゃんのお洋服はビニール等にしまってお使い頂くと安心です」
という注意書きのあるタンスを見つけました。

「うちの商品はホルムアルデヒド放出量が高いタイプの木材を使っているため赤ちゃんやお肌が敏感な方には危険です」
って正直に書きましょうヨ

家具やカーテンなどを新調する際にどうぞホルムアルデヒドを気にして下さい。
安くていいものを探す事はとってもいいい事ですが、本質を見落とさぬようお気をつけ下さい。

そのかっこいい家具の材料は安全ですか?
そのいい色のカーテンの材料は安全ですか?
お洋服は買ったら一度洗ってよくお日様に当ててから着て下さいね。

縁側のナゾ

以前に古民家のリノベーションをしていると書きましたが、やはり古き良き部分は残したいものです。
今日は縁側のナゾ(?)について。
もともと、縁側は何故縁側と言うのかというと、「縁」を結ぶためだそうです。
確かに家の外なんだか中なんだか曖昧な空間に思えますが、昔の家にはこの曖昧な空間が多い事に気がつきます。
「土間」もそう
「縁側」もそう
そこで多くの交流があり繋がりがあったことは昔のアニメやNHKの朝ドラをみていると納得ですよね、大体ご近所さんとのやり取りは土間か縁側。
のび太くんの家にも、ちびまるこちゃんの家にも、サザエさんの家にも全て「縁側」ありますよね。そんなこと気にしてアニメ見ているなんてもう頭おかしいデスネ。
ちなみに外にある縁側は濡れるので「濡れ縁」と呼ばれています。
江戸時代後期から濡れ縁が次第に内部に取り込まれていって「縁側」と呼ばれるようになったそうです。
縁側の中でも幅が4尺(約120cm)以上ある縁側のことを広縁と呼んでいます。
さらに突っ込むと縁側には2種類あり
敷居に対して直角に、つまり短手方向に貼る「切目縁(きりめえん)」
敷居に対して平行に、つまり長手方向に貼る「槫縁(くれえん)」別名縁甲板というのです。
お?聞き慣れた言葉が出てきたのでは?
工事監督「縁甲板の方向早く決めてくれよ~どっちに貼るんだよ!!!」
設計者「縁甲板の方向ですか?江戸時代から決まってますが何か?」と答えてみて下さい、日頃の恨みを込めて〜♪
長く平行な縁甲板を加工することができるようになるのは、製材技術が発展してきてからなんです。むかーしからあるおばあちゃんの家の縁側はきっと「切目縁」最近の家は「榑縁」「縁甲板」になっているはずです。
寺院に行った際に気にして見てみてください、切目縁が多い事に気がつくはずですヨ。
今の世の中、境界線みたいなものにすごくきっちりし過ぎているから
嘆かわしい近隣トラブルが多いのかもしれませんね。非常に残念な事です。
縁が芽生えるのは、結構あいまいな場所やあいまいな気持かも知れませんね。
ちょっとテキトーな位で丁度いいのでは?なんて都合の良い解釈~♪

切目縁

榑縁

虹は何色?

今日は朝電車の中からキレイな虹が見えたんです!
みんなも見てるかな~と思って周りを見たけどみんな携帯見てました。。。
なんか自分だけ見れた感じがしてちょっとトクした気分。

ところで虹はいつも同じ色、同じ順番で現れることを御存知ですか?

上から順に赤・橙・黄・緑・青・藍・紫の7色が虹の配色です。
覚え方は「せきとうおうりょくせいらんし(赤橙黄緑青藍紫)」と覚えたらイイと思います。
(ん・・・?覚える必要が無いという声が・・・・)

虹の色は何色?と日本で聞くとほとんどの方が
「7色に決まってるでしょ!」と答えると思いますが実は国によって虹の色の数は異なるのです。

日本・韓国・オランダ は7色
アメリカ・イギリス は6色
フランス・ドイツ・中国・メキシコは5色
ロシア・東南アジア諸国は4色
台湾のブヌン族・アフリカのショナ語族 は3色
南アジアのバイガ族・アフリカのバサ語族
は2色
ホント国によって様々なのです。
でもさ、いくらなんでも虹を見て2色だ!!と言い張ってるのはいくらなんでも無理があるでしょう???
先人達が2色と決めたからなんだろうけどきっと「虹の色もっとあるよね…」と思っているハズ
スカイツリーのライティング

すっかり有名になったスカイツリー。
個人的には国家プロジェクトとも言えるこの計画が何のコンペも行われなかった事について非常に疑問を感じます。
何だかな~この垢抜けない昔ながらのデザインセンス。
何がムサシなんだか、剣なんだか・・・
しかし建築技術に於いては最先端の技術が惜しむ事無く導入されています。
その一つがライティング。
スカイツリーのライティングは2つのオペレーションが一日毎に交互に現れる計画になっている事・・・ニュースなのでも御存知の方も多いかと思います。
今日はそのライティングについてちょっと掘り下げてみます。
2つのオペレーションは
・心意気の「粋」
タワー中央部を淡いブルーに照らしているオペレーション
・美意識の「雅」
外周の鉄骨を紫色に照らしているオペレーション、ゲイン塔頂部を富士山の冠雪のように白く照らすオペレーション
がテーマとなっています。
照射手法は各々4種類あり
1 下から上に照射する「ライトアップ」
2 上から下に照射する「ライトダウン」
3 星を散りばめたようにところどころ煌めいて見せる「交点照明」
4 2カ所ある展望台を1秒で1周させる「時計光」
また、「雅」に用いられる紫色は非常に攻撃的なコーディネートなんですヨ。
日本では歴史的に見ても「高貴な色」と位置づけられておりますが、表現が難しく、少しでもバランスを崩すと品を損ないかねないデリケートな色です。
紫色の提案は非常に高度なコーディネート技術が必要とされるのです。
少しだけ知識を持って見るだけで普段の景色は全く違って見えるもの。
デートで話題が途切れた時のネタにしてみて下さい〜
粋

雅